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コピスリレーエッセイ第6回 「隣村の住人たち」 by 吉川 かおり (クレイアーティスト)

学生の頃、課題の油絵に行き詰まると夜中に粘土で立体を作っていた。
指先から作られる形は、自分の描いたとおりの動物や人形になり、
物語を作っていくような wakuwaku する深夜の作業は、
とても楽しいものだった。

そんな彼らを初めて人前で発表しようと、
ギャラリーを借りて展覧会を開いたのが14年前。
深夜の wakuwaku の延長にあったその展覧会は
やはり wakuwaku の内に終了した。

そんな私の小さな船を陸へ誘ってくれたのがみどりさん。
自由にやってごらん!と背中を押してもらった。
ヨロヨロの私には、しっかり根を張り可憐なたくさんの花を抱く、
コピスの入り口の木々がなんとも逞しく素敵で、
ここでいい展覧会をやりたいと思った。
今思えば、7年前のあの展覧会こそが作家としてのスタート!
ようやく地面から芽が出るきっかけとなった。

勿論いまでも私は自分の作品について、あーだこーだと悩む。
悩みながら私の仕事場を出る彼らが、いざギャラリーへ、
自分たちの居所へ立つともう完全に私の手を離れ、
思った以上に立派に見えてくる。しっかり親離れができ私の元から旅たつのだ。
だから私もすっきり子離れするのだ。

前にみどりさんがご自身の描く童画と私の作品は
「隣村」同士だね、と笑ったことがあった。
暖かくどこか懐かしい風の吹く『みどり村』と、
隣の『クレイアニマル村』。いい感じ!
「なぜあなたは動物ばかり作るの?」とお客様に聞かれ、考えていた私に
「物語の始まりなんです。」と助け舟をだしてくれた。
(さすが!隣村の村長!)と心で強くうなずいた私だった。

吉川 かおり (2010.02.19掲載)

吉川 かおり プロフィール

クレイアニマル作品 吉川 かおり

クレイアニマル作品 吉川 かおり

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