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コピスリレーエッセイ第14回 「奇跡を信じて」 by 岩國 宏志 (木炭画作家)

10年間居続けたプロダクションを、ついに6月末、辞めた。
これでもう、大切な土日が潰れることもない。
これでもう、「人集め」だけの目的でコピスに行くこともない。
「人集め」…そう、
「人集め」の為にコピスの作家さん達にメールや電話を掛けまくり
迷惑を掛けてきた。
みどりさんから「お出入り禁止処分」を受けてもおかしくなかった。
けれども、7月25日「私の好きな詩」の搬入日、
みどりさんは、そのとてつもない懐の深さで僕を許し、迎え入れた。

これでまた、絵がかける!!! 発表も出来る!!!
絵本制作に集中できる!!!!!

2010年7月25日。僕にとって、コピスとの真の出会いの日。
そして人生の再出発の日となった

この“再出発”は、意外な人に影響を与えた。
重度の統合失調症の妹。
僕がプロダクションを辞め、土日を家のアトリエで過ごす様になってから、
病状が一気に好転した。

9月、妹は母と一緒に高島屋へ二度もショッピングに出かけた。
ろれつが回らない、一人で歩けない時もある…という今までの状態から
考えると「高島屋でのショッピング」は「奇跡」以外の何物でもなかった。

妹はずっと僕の事を心配し心労を重ねていた。
僕が「辞めて」「自分を取り戻した」ことで「安心」し、
それが回復につながった。 高島屋の地下で買ってきた
高級チョコのアソート……「回復祝い」となった。

才能の無い自分には不可能に近い事…絵本の出版…それを成し遂げて、
コピスで「出版記念」をやる時、きっともう一つの奇跡が起きる。
「お気の毒ですが、もう病気になる前の姿に戻れる可能性は
ありませんよ。」と医師から言われた妹の「全快」という奇跡が。

奇跡を信じて僕は進む。

岩國 宏志 (2010.11.01掲載)

岩國 宏志 プロフィール


岩國宏志「春の調べ」より

岩國 宏志 (「春の調べ」より)

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