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コピスリレーエッセイ第13回 「モニー犬」 by なんば もにか (イラストレーター)

むしゃむしゃと何かしらを食べて生きてきた犬が、
いい(作品の)匂いに誘われて、ギャラリーコピスにやってきた日。

あの日、初めてサニーに吠えられた犬は、
5年経っても、絵を描いて生きている。そして、時々うなる。

むしゃむしゃと何かしらを食べていても生きてはいけるが
自分で食べたいものを選ぶということを最近やっと覚えた。
すると、嫌いなものもあっていいんだなと、気付く。

自分の理想とする者に近づきたい。ちょっとだけ、理想が高くなった。

薄汚れてボサボサだった毛は、コピスでブラッシングされるので、
だんだんと小奇麗になってはいるが、お上品には、ほど遠い。
吠え方も工夫してみたが、気を抜くと野良犬のようだ。

そのくせに、ふと気付いたら、似合わない大通りを歩いていたのだ。
道の先は、いつもぼんやりとしていた。

また、いい匂いに誘われて、ギャラリーコピスにやってきた。

ふらふらと、どうしようもない犬。
見るに見かねたみどりさんは、テーブルに地図を広げた。

犬は目一杯に背伸びをして、地図を見て、嗅いで、ベロベロ舐めて、
行ってみたい場所、歩いてみたい道を見つけた。

それはそれは、すてきな瞬間だった。
空を飛べそうなくらい、しっぽを振っていた。

犬は、今日も歩いている。
まだまだ細い砂利道だが、お気に入りの道を。

時々、うなりながら。

モニー犬こと、なんば もにか (2010.10.01掲載)

イラストレーター なんば もにか


なんば モニカ

なんば もにか (私の好きな詩2010展より)

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